朝の渋滞！？
渋滞と言っても車の渋滞ではなく、鶏たちの産卵待ちの渋滞だ。
鶏の産卵時間というのは９割が午前中。
そのうちのほとんどが７時～１０時の間に産卵する。
つまり1羽が産卵箱に入っていると、次に来た鶏は箱の前で待っているのだが、
待ちきれなくなると、お構いなしに前の鶏の上に乗ってくる。
そこでひるむようだと、自分の好きな箱では産卵が出来ない。
そう、産卵するにも自分の好きな場所があるのだ。これは不思議だ・・・
産卵箱を腰の高さに設置しているのには訳がある。
人間からしてみれば、もちろん卵を取りやすいようにだ。
しかし鶏にもここに産もうと思わせる何かがある。
ほとんどの鶏がここの場所を見つけて産卵する。なぜだ？
私が思うに、この少し高くて、狭くて隠れる事の出来る場所、
これが産卵するに適所なのだと本能的にわかっているのだろう。
産卵するにはまず動けない状態になるから、敵に狙われやすい、
だから物陰に隠れて産卵する。
そして卵を狙ってくる獣や蛇に見つからない場所がここなのか。
多分そんなところだろう。
自分たちが生きていくこと、そして子孫を残す事、
この本能が鶏たちに息づいているのだろう。
まだまだ色々と学ぶ事は多いようだ。
追伸
鶏は卵を産むと、産卵箱の前に出て「ココココケ～、ココココケ～」
と鳴く。あたかも、「卵産んだぜ～オメ～ラ！」と言っているようだ。
ちゃんと仕事したぜ今日も！と主張をしている。
なぜか？
卵を産んでいない鶏がよくいじめられて、止り木のうえにいて
餌を食べられない状況がある。逆に、止り木にいつも止まっている鶏は
卵を産んでいないことが多い。
この現象はなんだろう？と思っていたが、人間の世界にこれは
当てはならないか？と考えた。
ちゃんと仕事をしていないやつは飯食わせないぞ！という雰囲気。
卵を産んでないやつは餌食わせないぞという、種の保存にまで
行き当たるような状態。
よくわからないのだが、うちの農場ではよく見られる状況だ。
つまり、卵を産んだあとに「ココココケ～」と鳴くしぐさは、
「俺はちゃんと仕事してるぞ～！」という心からの叫びなのではないだろうか。
鶏に聞けるものならば聞いてみたいものだ。
ちなみに鶏たちにはおおよその順位が決まっている。
強さの順位だ。一応群で生きる生き物だから順位も決まっているのか。
しかし、そこは鶏のことだ。その順位をよく忘れる。
そしてたまに喧嘩をしているメス同士がいる。
そこへ、とても面白い事にオスが割って入ってくる。
「オイオイ、そのへんで喧嘩はやめとけよ～」といった感じ。
それでもやめないと、喧嘩両成敗ということで、
オスは両方のメスの頭を１回づつこづく。
そこで喧嘩は終るのだが、こうした上手い仲裁が出来るオスというのは稀で、
ほとんどはどちらかのメスが負けて逃げていってしまう。
こんなものを見ていると、人間の縮図がこんな小さい世界でもおきているのだと
改めて感じる。ほんとうに勉強になる。
